ポンコツロボットおやじ風な徒然

技術系公務員というニッチな世界を語りたい

現場管理とは

年度末。自治体の公共工事の多くは工期末を迎えます。自治体は単年度予算主義だから。

工事は設計あってのもの。でも、当初の設計通りに最後まで工事を全うすることは稀です。建築工事を例にとると、土を掘ると想定外の埋設物が現れたり、建築・電気・機械という多工種間で調整事項が発生したり、発注者からのリクエストが加わったりして工事内容の変更が生じます。

ということで、年度末には清算する意味で、設計変更をすることになるのです。より実際に即した設計、それに伴う契約変更を行います。今がその設計変更のピーク。

 

で、ときにはこんな問題が・・

ある建築工事で、役所の工事監督が積算した変更増額が、施工業者さんが見込んでいた変更増額よりかなり少ないと、施工業者さんが相談してきたそうです。

よくよく話を掘り下げてみると、監督員と業者さんとの意思疎通の不足や指示の不徹底が原因の様子。重機や作業員を準備した後にその作業が中止になったり、同じ作業足場の設置・解体を何度か繰り返したりと、図面に残らない手間・費用がどうも多かったみたい。

「変更図面に盛り込めない=費用を計上できない」

となるのです。建築工事は「図面契約」というもので、図面に残らないような施工内容は基本的に費用計上できないのです。

 

作業をやり直したり、不要な準備をすることを極力なくすことが現場管理のキーポイントのひとつ。基本中の基本。これには監督員の配慮、機転と施工業者の工夫、そして何よりも施工期間を通しての監督員と業者さんの意思疎通が大事。

ひとつひとつの変更項目が生じたら、その都度、お互いが変更内容と処置を承知していく。この積み重ねがないとこのケースみたいな問題が生じるのです。

 

現場管理とは何か?

公共建築工事とは、住民から税金の信託を受けて、住民の福利向上を図るための施設を作ること。住民の生活を豊かにするための場を作ること。

この当たり前のことをなすために、監督員と施工業者はベクトルを突き合わせていてはいけない。

監督員と施工業者は公共工事の当たり前に向かってベクトルを揃えていくべきだろう。

 

上記の件は、何かちょっとしたところのすれ違い、食い違いなのかもしれない。

でも我々技術系公務員は、この当たり前にやるべきことを心の基礎としなければならない。