施設管理のNGワード
本市には多くの公共施設があって、それらを管理する施設の所管課はおおよそ100程ある。基本的に3年で職員が異動する市役所。3年経てば担当職員総とっかえなんです。
・・・それは当然、市職員ならば分かっていること。
で、大事になるのが業務引継ぎ。市民から見れば担当が変わっても行政サービスの必要レベルは変わっちゃ困るわけです。当たり前です。
そして、4月の我がチームは、前年度に各施設所管課が実施した、建築物および建築設備の定期点検(建築基準法第12条)の結果を収集する業務を行います。
約100の施設所管課から約1,000施設の点検結果を収集し、要是正箇所の把握と改修緊急度の判定を実施することになります。
次年度予算要求のために重要な情報なんです。施設所管課、我々のような建築部門、それに財政部門が施設の改修に向けての緊急度について共通認識を持って財源配分を考えることが、とっても重要。
うまく仕組みを動かすには課題もあるけれど、この取組みは続けていきたいと思ってる。
で、戻って今日あった話。
定期点検結果報告が未提出のある施設所管課の係長さん。提出する様式の存在を知らない。そればかりか、定期点検の実施義務があることすら知らない。
私がフォローの連絡をした時にも、なにがなんだか分からないといった感じで、電話の後、すぐに私を訪ねてきて、そもそも定期点検とは?のところから説明を求められた。
まあ、それはそれで良いけどね。前任者、ちゃんと引継いでくれよ〜って気持ち。
でも、その係長さん、その時にまずいこと言っちゃいました。
「この件に関しては、引継ぎを受けてないので、分からないんです。どうすれば良いですか?」
……Ans.前任者から引継ぎを受けて下さい。
でたぁ〜! “引継ぎを受けてないのでギブアップ宣言”
施設状況に1番詳しい前担当者に話を聞かずに、どうやってこれから維持管理していくつもりなのだろうか?
そもそも定期点検とは?とか、結果報告の事務手順とかはいくらでも説明します。
でも施設の状況について、
「昨年度に空調機の部品交換をしたので、今年の夏は温度設定に注意して経過観察が必要」だとか、
「横なぐりの大雨時に一部屋内に雨漏りが発生する。雨水の浸入ルートを見つけて処置が必要」
なんて情報は日々施設に関わっている人でないと知り得ないもの。こんな情報を引継いでいくことの方が、事務手続よりもっと重要!
だから、その係長さんには、
「引継ぎを受けてないけれど、前任者に聞いて状況を把握し、必要な対応を行っていく」
とだけ言ってもらえたら、今後の良好な施設の維持管理につながると安心できたのになぁ。
異動は当たり前。それでも施設は安全安心に使っていきたい。
我々取りまとめのチームも、施設所管課の維持管理のお手伝いをしながら、また、事故予兆の早期発見など定期点検をやってて良かったと思える経験を提供しながら、今後も保全指導の取組みを継続する必要があるな。頑張ろう!